タバコをやめよう
健康を損なうタバコ
毎日の喫煙によるガンの死亡危険度
タバコは、さまざまなガンの原因になり、特に口腔ガン、食道、喉頭、そして肺ガンによる死亡危険度が大変高くなります。
また胃ガン、肝臓ガンなどでも、弱い因果関係が見られます。さらに大腸ガンや乳ガンなど、これまで関連がないと考えられていたガンについても、細菌では関連があるのではないかという議論があります。
タバコが危険因子となる病気
先進国では、生活習慣病と呼ばれるさまざまな病気にかかって死亡する率がますます高くなっています。タバコが病気と死亡の原因の第一位になる理由は、タバコがすべての生活習慣病に共通して危険因子に挙げられているからです。
慢性気管支炎や気管支喘息などの呼吸器系の病気や、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器系の病気にかかる率も高めています。
周りの人に悪影響の大きいタバコ
タバコの煙には、4000種類以上もの科学物質が含まれていて、40種類以上の発ガン物質や発ガン促進物質があります。有害物質の代表的なものが、ニコチン、タール、一酸化炭素です。
タバコの煙は、喫煙者が吸い込む主流煙と日がついている部分から立ち上がる副流煙に分けられます。主流煙は酸性ですが、副流煙はアルカリ性で刺激が強く、目がチカチカしたり、喉が痛くなったりします。自分の意志とは無関係に周囲の人がタバコの煙にさらされ、煙を吸わされていることを受動喫煙あるいは間接喫煙といいます。
主流煙と副流煙の二つの煙の成分を比較すると、副流煙のほうが有害物質を多く含んでいます。つまりタバコは、吸っている人だけではなく、周囲にいる人の健康にも影響を与えることになります。とくに肺ガンや鼻腔ガン、虚血性心疾患、呼吸系の機能障害などのおおきな影響を及ぼします。
禁煙への挑戦
なかなかタバコがやめれないのは、タバコに含まれているニコチンに対する精神的な依存が形成されるニコチン依存症になるからです。喫煙者の約40%がニコチン依存症と言われています。
禁煙の準備 | ・禁煙の決意を固めます。 ・ニコチン依存度テストで自分の依存度を確認します。 |
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禁煙を始める | ・タバコをきっぱりやめます。 ・周囲の人にやめることを宣言します。 |
禁煙一週間 | ・水分や果物を多く採ります。 ・タバコと結びついている習慣を控えます。 ・口の寂しさは、代用物を利用します。 |
禁煙二ヶ月 | ・気分転換をはかるようにします。 ・禁煙仲間をつくったり、周りの人にも禁煙を勧めます。 |
禁煙に失敗しても気にせず、何度でも挑戦しましょう。
保健所や医師・歯科医師の助けを借りたり、置換療法を利用します。
効果的な禁煙法
禁煙した人にとって最も辛いのが、タバコを吸いたくてたまらないという強い欲求です。この欲求は、24時間以内にピークに達し、その後7日間は次第に低下していきます。
しかし、その欲求は再び強くなり、8週間くらいまで続くことがありますが、強い欲求が続くのは、せいぜい3〜5分に過ぎません。
またタバコは、日常の行動と密接に関連した習慣と結びついていることが多いので、その習慣を断念します。
ニコチン置換療法
ニコチン置換療法は、禁煙したときに現れるニコチン離脱症に対して、ニコチンを薬物の形で補給し、禁断症状を緩和しながら精神的な依存症から抜け出させます。代表的な薬物には、ニコチンガムと、皮膚に貼るニコチンパッチがあります。